映画『実りゆく』を観て…映画の中の吃音と、コンプレックスの切り替え方

その他

今回はLGBT+とは関係ないのですが

舞台挨拶見に行ったこともあったので

観た映画について・・・

大学の後輩で芸人のまんじゅう大帝国(以下「まん帝」)の竹内君が映画初主演ということで、

(ちなみに監督の八木さんは彼が所属する事務所、タイタン

のマネージャーさんだそうな)

こっそり取り舞台挨拶の回のチケットを取り、後で驚かそう・・・

と思っていたのに、映画館の入り口で会場入りするまん帝の二人と鉢合わせ()

「ちょっと、『鬼滅の刃』観に来てね』とキビシイ言い訳。

意外にも端役ではあるがちょいちょいテレビドラマに出演している竹内、

色んな階段をすっ飛ばしての初主演作に、竹内本人や内容への興味はあれど

失礼ながらあまり演技には期待をしていなかったのだが

実際観てみたら、なかなかどうして

「吃音」という難しい役どころを器用にこなしていた。

さらに意外だったのが、相方の田中永真くん。

知る限り演技は初挑戦のはずだが、これまた小憎たらしい(けど憎めない)役どころが見事にハマっていた。

さて、肝心な内容の方はというと・・・

詳細は省きますが、ざっくりと言うと

主人公の青年(竹内)が東京で芸人になると言う夢と、リンゴ農家の跡取りという狭間れ揺れるというストーリーなのだが

しかしこの青年、先述した通り吃音であり、

加えて気弱な性格から父親(田中要次)にその夢を伝えれずにいる。

しかしそんな彼も舞台に立つと不思議と覚えてきたセリフがすらすらと言える。

また、爆笑問題のラジオ(ご本人がゲスト出演)に出演するというシーンではその吃音を個性として見出しかける・・・

このコンプレックスである「吃音」を個性に昇華させ(克服とも違うのよね)

自信をつける(まあ、ざっくりと言うとネ)と言うのがメインの軸で

さらに普段は吃音だけど、舞台の上に立つと流暢に話せると言うのがあるのだけれど

ここに芸人としての、平場と舞台の関係性に

地元と東京というのがリンクしてくる。

幼少期、吃音であることで同級生からバカにされ、

(その後、りんご農家の息子としては真面目なので大人からの評価は高いが)

父親からは勿論周りは芸人になるなんて微塵も思わない

(一部の人には打ち明けているが)

しかし、週末夜行バスに乗り東京に出て若手ライブの舞台に立つ彼は(まだその他大勢の1人ではあるが)立派な若手芸人である。

彼が吃音から流暢に話せる境は舞台袖と舞台(楽屋からそ、舞台へ向かう描写が何度と描かれていた)であると共に

実は、この夜行バスだったのではないか。

夜行バスで地元から日を跨いで東京に出た時点で彼の吃音は(一時的に)治っていたのではないかと思う。

コンプレックスというのは時間軸で分類すると「過去」である。

「吃音」を馬鹿にされた過去や、「アイツが芸人になんてなれるわけない」という目線から

(昔はクラスで面白かったヤツとかお調子者のイメージ多かったけど、最近こういうコンプっレックスをバネにして活躍してる芸人さん増え的てる)

地元を離れ、東京に出ることにより解放されているのだ。

いわば夜行バスはクラーク・ケントにとっての電話ボックスなのだ!

コンプレックスというのは言わば自分に向けられている

(時として自分を通して見られている)「眼」である。

映画『英国王のスピーチ』2010年)では吃音イギリス王ジョージ6世が言語療法士によって治療を受けるシーンがあるが

初っ端に「ハムレット」の朗読をさせられる。

大音量の流れるヘッドホンをつけられ、自身の声が聞こえない状態での朗読、後にその録音を聴いて、その滑らかな発生に驚く・・・というのが前半のストーリである。

何が言いたいかというと、コンプレックスには

まずその周りからの「眼」を取り除いてやるということだ。

周りからの眼はいつしか、自身への決めつけとなり、本来の姿や成長を見えなくする(時には妨げる)ものなのだ。

『英国王のスピーチ』では国王(最初は王子)という立場柄や

ラジオ放送等肉声でのメッセージの重要性

(後半ではニュース映画でヒトラーの巧みな演説に衝撃を受けるシーンも)から

吃音と「治療」「克服」しなければならなかったが

無理に治療せずとも、コンプレックスを取り除き「個性」として昇華させて仕舞えば、それはまた一つの「魅力」へとつながる。

織田作之助の小説「夫婦善哉」

(森繁さん主演での映画も有名)

対象から昭和にかけた大阪が舞台で

しっかり者の女と、優柔不断な男との内縁夫婦の物語だが

この男(今で言えばかなりのダメンズであるが)もまた吃音である。

しかし、吃音であるにも関わらず、

また東京生まれ東京育ちで関西弁には馴染みのないの自分が

(もっと言えば、小説だから文字の上でも)読んでも

その日本語が不思議と美しいのである。

小説(に限らず書籍の多くは)を読むとき頭の中で音声変換して読み進めるのだが、この柳吉(吃音の亭主)のセリフが、心地よく頭の中に入ってくるのだ。

なぜだろう、だんだんこの柳吉が愛おしく思え

この父親から感動され、何度商売を変えても長続きしない

ダメンズに惚れた蝶子(主人公)の気持ちがよくわかってきてしまった(笑)

さて、『実りゆく』の方だが、芸人の夢を諦めきれない主人公が

りんご農家の父親(と地元の組合衆)にどう向き合うか、は各々観ていただくこととして・・・

舞台挨拶も終わり、パンフレット購入者には出演者・監督のサインが貰えるというので列に並ぶ。

本日2度目のまん帝の2人と対面に、いささか気まずさが。

何か感想を言ってやろうにも、後ろには列も出来ているので一言だけ

「やっぱり、十二鬼月は強かったね」

ふと横を見ると、なんと上弦の鬼が!?

ではなく、出演していたまん帝の事務所の先輩

日本エレキテル連合のお二人

(失礼でショ!ゴメンナサイ)

橋本小雪さんには助演女優賞をお贈りしたいと思います

(誰が?)

コントメイクでない、2人のお芝居も必見です!

見なきゃ・・・ダメよ〜ダメダメ!

【プロフィール】これからは武田
これからは武田

1986年東京都生まれ 
ライター/構成作家/LGBT+アドバイザー

LGBT+の「G」

お笑いライブ、トークライブ、イベント等の構成、裏方を務めつつ
2019年秋よりLGBT関連の執筆、セミナー、講演会等を始める

女装しない、オネェじゃないただのゲイ『タダゲイ』

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