ももせしゅうへいさんの漫画「向井くんはすごい!」(上・下巻)が発売され即買いした
元々ツイッターで連載していた物をコミックスにしたものであり
Twitter時から気になっていた作品である
高校1年生の主人公森谷は、ゲイであり、周りにカミングアウトはしていない。
入学後できた友人に対しても「信頼に足る人物だろうか」と気を許せず、
日夜クラスメイトの動向をSNSでチェックしている。
そんな中、クラスメイトの向井君がゲイであるということがアウティング(本人の同意を得ずに暴露)されてしまう。
向井君は、イケメンで身長も高く、スポーツマンで人気者。
そんな向井君がゲイだった。
内心、ドジを踏んだなと思いながらも静観する森谷、
しかし向井君は一度広がってしまったものは・・・と慌てず
クラスメイトにも「気づいてあげられなくてごめん」「友情は変わらない」と受け入れられる。
それどころか、クラスの一部は結束を強め
「向井君を知ろう」「LGBTについて学ぼう」とサークルを立ち上げる。
みんなの動きに居心地の悪さを感じながらも、動向を探る為歩調を合わせる森谷
「彼らはゲイを本当に理解できるのか?」
「受け入れられたのは、向井君だったからではないのか?」
ゲイであることを受け入れられ、自然体で生活する向井君
ゲイに理解をしようと声を上げるクラスメイトを疎ましく思う、クローゼット(性的指向を非公開)な森谷
他にも、自分がゲイであること隠しながら、ゲイやクラスメイトの活動に否定的な発言をする寺西や。
ゲイを理解しよう!と声をあげつつも、先入観を持っている女子たちや
彼らを認めることで、一目置かれたい男子。
読んでいると、誰かに当てはまる、いや全員に当てはまる「高校生だった自分」を持っている人もいるはずだ。
高校生と、高校生だった人たちに、今一番読んで欲しい漫画
単なる青春群像でも、ありきたりな(もしくは痒いところに手が届かない)啓蒙漫画でもない。
言いたいこと、感じて欲しいこと、こんな人が当たり前にいるってことを
こんなにも自然に織り込んでくれた漫画
「すごい」って言葉、本来だったら語彙力低い感じがして好きじゃないけど
『向井くんはすごい!』はすごい!
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