HIV検査に行ってきました(前編) ~心配・心当たりがなくても定期的にいく理由~

LGBT

今日、HIVの検査に行ってきました

定期的、半年に一度・・・と思っていたらなんだかんだで1年近く空いてしまった(反省)

「HIV検査に行ってきた」
こう言うと
「危ないSEXをしたんだ」
とか
「お盛んだね」
というよな目線を向ける人は少なくない

30代半ばに差し掛かっている身としては
これまでのタダゲイライフを振り返ると
確かに全てがセーフ(性感染症対策をした上でのセックス/コンドーム着用)で、病気にかかる危険を全く冒してこなかったといえば嘘になるし
同世代のノンケ友達、結婚して子供がいて落ち着いた人達と比べたら
性行為のチャンスは多いかもしれない
(調査したわけでもなければ、ノンケで既婚者でもバリバリ遊んでる人もいるだろうし)

同性愛者、特にゲイに対するHIVに関する印象・偏見は
この10年(自分が男性とのSEXをしてからだいたいそのくらい
…まあ、そこを起点にする必要もないのだけれど))
実のところあまり変わっていない気がする。

それも仕方がないといえばそうなのかもしれない
日本は先進国で唯一HIVの感染拡大に歯止めがかかっていないし
「STOP AIDS」と書かれた広告のほとんどは、二丁目をはじめ
同性愛者に向けた冊子やポスターで見かけるのだ。

『避妊具』の名の通り、その視点だけに置けば男性間でのSEXには無用としか考えない人もいるし
中には「自分はタチ(同性間セックスでの男役、挿入側)だから感染しない」
などのまやかしのような理屈を信じているゲイもいた。

しかし、タチだろうがウケだろうが性感染症のリスクは変わらないし

同性だろうが男女だろうが、生で性行為を行った場合の感染率は対して変わらないのである。

だから
HIVや生での性行為のリスクに疎い若いゲイや
未だに「ゲイコミュニティ=AIDSの温床」と思っているノンケ(異性愛者)へ
啓蒙・・・だなんて偉そうなことは言わないが

「心配はなくとも、一度検査を受けに行ってみる」
ということを、大人のたしなみとして提唱したい。

若い世代(だけとも限らないが)のゲイのコ達と話していると
性感染症に対してあまりにも疎い、といか心配していない人たちが多いのに驚かされる。
いや、自分も20代前半はそうだったかもしれないし、今の知識・情報を過信してはいけない。

中高生の頃の保健の授業をどれだけ真面目に受けていたかは言っている自分も耳が痛いし、そもそも(少なくとも当時は)教科書では男女間を想定しかしていなかった。
また、危険や恐怖だけ教え込んでいざSEXに集中できないのは嫌だろうし
うるさい、と反発されていっそのことと無防備になられるのも怖い。

耳痛くはならない程度にかつ、正しい知識を
その入り口としての「検査」なのである。

SEXをする以上、誰しもが可能性がゼロではない。
だからこそ、怖くなってから慌てていくのではなく
「心配がなくても」大人の嗜みとして『経験』しておくのだ。

『大人の嗜み』としての定期検査

むしろ、いざ気になることができたとき怖くて行きづらい
という話をよく聞くことがある。
初めてだしどこに行っていいかわからないと、先延ばしにするより
既に検査をしたことがある・・・という経験が2回目以降の「行きやすさ」を備わせてくれるのだ。

だから、疑いの目で見られる事を覚悟しながらも
二丁目のゲイバーなどで若い子を前にして
「こないだ検査行ってきた」と人前でも堂々と話すようにしているのだ

もちろん、自分の知識のアップデートも兼ねているし
時にはデート相手へ安心を与えるための布石だったりもする(笑)
※不思議なもので「検査に行った」と言うと不安になる人と安心する人がいるのだw

ただそれ以上に、気軽に行けることや、行くことが恥ずかしくないということをしてほしいというのもあるし
気になる子は「どこにあるんですか?」「どうやって受けるんですか?」と聞いてきてくれる。

それまで口はばかられたテーマに興味を持ってくれる子もいるし

まずはそこからって思うわけですよ

もちろん自分は医者でも研究者でもないから間違ったことを言うかもしれない
でもだからこそ、情報は常にアップデートしたいし
その情報は共有したい。

誰かが口火を切れば、またほかの先輩陣が別の情報を教えてくれる

保健所や病院で聞いてきた話、二丁目の諸先輩方が見聞きした話や体験談
タブーとして口にしないのではなく、聞きやすい、情報が入ってきやすい環境を作ることが年長者の役目なんだと思うわけで・・・

エイズがもはや
「死なない病」
「治療を続ければ普通の人と同じ暮らし」ができるを言われだしてだいぶ時間がたったように思える
それでも「妊娠・出産もできる(母子感染・父子感染を防げる)」という話を知ったのは割と最近だったし

治療を続けて、『検出限界以下』を保てている人も多いと聞くし
まだ2例ほどだが、完治した人もいるという。

その一方で、感染発覚が遅れると、治療の幅・選択肢が狭まること
肝炎などの他の感染症との併発で使用できる薬が限定されて治療が困難になってしまっている人がいるのも事実であり。
薬が効かない薬剤耐性エイズウィルスの存在も知らない人が多いのではないだろうか?

これらの話も、自分が聞いた時点と今では状況が変わってきているかもしれない

ただ確実に言えるのは
「検査に行くのは難しいことではない」

ということ

【あとがき/という名の独り言】

読み返すと「若い子」って何度も使ってて
自分はもう若くないんだなと実感

とはいえ、上野・新橋のゲイバーに行くとまだまだ若造なので
まれにちやほやしてもらえます(笑)

検査結果や、無料検査所の話、情報の地域格差等(後編)は
2月27日(木)にアップ予定

【プロフィール】これからは武田
これからは武田

1986年東京都生まれ 
ライター/構成作家/LGBT+アドバイザー

LGBT+の「G」

お笑いライブ、トークライブ、イベント等の構成、裏方を務めつつ
2019年秋よりLGBT関連の執筆、セミナー、講演会等を始める

女装しない、オネェじゃないただのゲイ『タダゲイ』

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